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そもそも「働き方改革」が分からない

これまでついつい先延ばしにしてきていて、そもそも「働き方改革」が分からないという方に向けて解説します。

そもそも「働き方改革」とは?

働き方改革は、国全体で掲げられている取り組みとなり、働く方それぞれの事情に応じた「多様な働き方」を選択できる社会を実現し、働く方一人一人がより良い将来の展望を持てるようにすることを目指そうという取り組みです。

その背景には「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」など、日本が直面している社会的な状況があり、少子高齢化の問題に真正面から取り組む、広い意味での経済政策でもあります。

つまり、中小企業の経営者様をはじめとする事業者の立場から考えた場合にも、これまで当たり前として捉えてきたような働き方だけでなく、労働者が個々で抱える事情や状況も踏まえながら、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが、重要なテーマや経営課題になってまいります。

法改正がありました (働き方改革 関連法)

このような流れを受けて「働き方改革」を進めるための法改正が順次始まっています。
2019年4月1日より順次施行されており、中小企業においても、例として次のような法改正に対応していくことが必要です。

法改正の一例

時間外労働の上限規制

改正前は行政指導のみとなり、法律上は残業時間の上限がありませんでした。今回の法改正により、残業時間の上限が法律で定められ、これを超える残業はできなくなります。残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできなくなりました。

年次有給休暇の時季指定

日本では、どのくらい年休が取得されているかというと、2018年は52.4%でした。年休の取得率が低い理由の一つとして、労働者が自ら申し出なければ年休を取得できないという慣習がありました。今回の法改正により、各企業は、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者に対して、毎年5日の年次有給休暇を、確実に取得させる必要があります。これまで、年次有給休暇というと、労働者側が会社に対して有休休暇の取得時季を申し出るようなケースが多かったのですが、今後は、会社側が労働者に対して意見を聴取した上で、労働者の意見を尊重しながら会社側が取得時季を指定するという方法が加わります。「労働者自らの請求」、「計画年休」、「使用者による時季指定」のいずれかの方法で、年次有給休暇が着実に取得されるように、日本の働き方が変わります。

同一労働同一賃金

パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者といった「非正規雇用労働者」について、基本給や賞与などのあらやる待遇に関わる、正社員との不合理な待遇差を設けることが、禁止されました。また、事業主は、非正規雇用労働者からの求めがあった場合には、待遇に関する説明をきちんと行うことが義務付けられました。正社員との待遇の違いやその理由などについて説明を求められた場合は、説明をしなければなりません。

更に詳しく知りたい場合

参考となる資料が厚生労働省が作成しておりますので、これらを活用しながら、まずは知識として基本的なところを押さえましょう。

関連リンク

経営者が「働き方改革」の本質を理解することが重要

ここまで、働き方改革について「働き方改革 関連法」に関わることを中心に解説をしてきました。実際に、中小企業への影響が最も大きくなるのはこの法改正ですので、法改正の内容と詳細をしっかりと理解し、法改正にあった対策を行っていただくことで間違いはありません。

しかし、これらの法改正に対応をしていくと、事業や業務全体の効率化というテーマに自ずと遭遇します。

働き方改革の本質は、労働時間を短縮しなさいという要請ではなく、労働時間を短くしても同じ成果があげられるようにすることを目指す会社や事業全体の改革が本質的なテーマとなります。

法律的には、単純な「時間規制」の話となっていますが、実際にそれを実現するためには、事業を営む上での様々な棚卸しと見直しが不可欠であり、文字どおり「改革」が必要であることをしっかりと理解することが重要です。

社労士や「働き方改革アドバイザー」などの専門家に頼る

「働き方改革」は、働き方改革 関連法という法律で定められ、それら遵守していこうとすると必然的に生産性の向上が求められることになるため、自社では対応できない場合にも、何かしらの方法で対応していく必要があります。

経営者が自ら知識を深めてリーダーシップを発揮する他、経営判断として社会保険労務士事務所の力を借りるという手が考えられます。

そのような背景がある中、当事業では、働き方改革にお悩みのある千葉県の中小企業等に対して、社会保険労務士・中小企業診断士・経営コンサルタント等の「働き方改革アドバイザー」を派遣し、企業にあった働き方改革の取組を支援するサービスを提供しています。

働き方改革関連法への対応や生産性の向上など、各企業の状況にあったアドバイスを提供しており、何から手をつければ良いか分からないといった状況にも対応しますので、ぜひご検討ください。