在宅勤務時の健康管理
在宅勤務(テレワーク)時は、従業員の様子を直接見ることができないため、健康管理の取り組み方に対しても注意が必要です。
このような課題をお持ちではないでしょうか?
- テレワークの場合、従業員の様子が分からないため不安
- テレワークにより、雑談や何気ないコミュニケーションが減ってしまうことの悪い影響がないか心配
- テレワークで、従業員がオンとオフを上手に切り替えてくれるか心配
- テレワークを導入している他社がどのように対策をしているのか知りたい
雇用主は労働者の健康を確保する義務がある
一般的に、雇用主の義務として、在宅勤務(テレワーク)であろうと事業所勤務であろうと勤務場所に関わらず「労働者の健康」を確保しなければなりません。
健康診断の結果を踏まえた保健指導を実施することや、労働者に対する健康教育や健康相談、その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずること等が事業者の努力義務とされています。入社時や定期的な健康診断はもちろん、常時50人以上の労働者を使用している事業場では長時間労働を行っている従業員に対する面接指導やストレスチェックも義務付けられています。
また、労働者の申し出に応じた面接指導やテレワーク勤務者に向けた安全衛生教育も行わなければなりません。在宅勤務の労働者も含めた労働者の健康の保持増進のための積極的な取組を行うことが望まれます。
従業員の「テレワークうつ」にご注意
テレワークは、基本的に自宅での仕事になることがほとんどで、プライベートの延長線上に仕事が来るため、メリハリをつけた働き方というのがなかなか難しいようです。仕事モードに切り替えるのが難しいと言うことだけではなく、逆にプライベートモードに切り替えることも難しいのが在宅勤務の難しいところと言えます。
朝、勤務開始時間となるぎりぎりまで眠って、始業時間から終業時間まで自分の部屋にこもってパソコン作業をしっぱなし。
お昼の休憩時間はしっかりと取っていますが、家にあるものやデリバリーなどで誰とも会話することなく、動画サイトを視ながら食事を摂ります。
その後、夜を迎えて、少し残業はしたものの、そこまでの長時間労働でもなく、スマホをいじったりしながら夜を過ごし、また翌朝を迎える。
そんな生活に憧れたり、相性の良い方もいると思いますが、一人暮らしだったり、もともと人と関わることが好きな人であった場合、本人も気付かないような精神的ストレスを抱え込んでしまうケースがあるようです。
気がついたら涙が止まらなくなったり、今まで当たり前に出来ていたことが急にできなくなってしまったり、テレワークを続けていくうちに、いわゆる「うつ症状」が出てしまうケースなどがあるようです。本人が「何かおかしい」と気づき、本人の方から会社に相談できるまで誰も気づかない、上司も察してあげることが出来なかったというケースも散見されます。
メリハリをつけて働くために
こうしたことの予防として検討したいのが、従業員の状況について会社側から定期的に確認をする仕組みや、オンとオフを切り替えるためコツや習慣について従業員自身に興味を持ってもらうことです。
オンとオフのメリハリについて、一番わかりやすいのが「物理的な空間」を分けることです。
いわゆる「仕事部屋」を作ることができれば、そこに入ることをスイッチとして仕事モードに切り替え、同時に出ることをスイッチとしてプライベートモードに切り替えることができます。もちろん、実際の問題として、住んでいる部屋の都合で仕事部屋を作ることが難しい場合も多いかと思いますが、その場合も、例えば勤務開始時に普段の仕事と同じ感じの服に着替えることやコーヒーを準備して一口飲むこと、ルーチンとして特定の音楽を流すなどでスイッチとする方法もあります。
同様に、仕事からプライベートモードへの切り替えも重要です。
事業所へ通勤していた場合は何かあっても物理的な距離が離れていたためどうしようもなかったのですが、テレワークによる在宅勤務の場合はどうしても「そういえば資料のあの部分どうなってたっけ・・・?」となった場合に確認することが可能になってしまうためむしろ作業時間が増えてしまうというケースも多いようです。体を動かしたり、太陽の光を浴びたり、入浴後にストレッチを行う習慣を持ったり、趣味や家族、SNSを通じたコミュニケーションの時間を意識的に取ることも有効だと言われています。
また、働き過ぎを防止する事業主側からの抑止力として、PCの起動ログを取得するケースもあるようです。
専門家と考えるテレワーク
千葉県では、千葉県で事業を営む中小企業様を対象に、テレワークを推進すための専門家を派遣したり、セミナーを開催したり、事例集を作成したりしています。
お話を伺いながら、貴社の状況にあった専門家を派遣させていただきますのでテレワークにお悩みを持つ県内中小企業等の皆様は、ぜひご活用ください。