年5日の取得ができなかった労働者が1名でもいたら、罰則が科されるのでしょうか?

会社として年間5日の取得を奨励したとしても、従業員側が都合が合わないなどのケースによって取得しない場合もあります。
こうしたケースが発生した場合も企業の取得義務違反として罰せられてしまうのでしょうか?

全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられています。

そのため原則として従業員側の都合であったとしても年間のうち5日の年次有給休暇取得については取得できない場合法令違反となります。
原則としてその是正に向けて丁寧に指導し、改善を図っていただくことになります。

ただし、この原則に当てはまる対象は「年休が10日以上付与される労働者」となるため、パートタイム労働者の方など所定労働日数が少ない労働者については対象から外れるケースがあります。

基準となるのは「所定労働時間が週30時間未満で、かつ、週所定労働日数が4日以下または年間の所定労働日数が216日以下の労働者」に当てはまるかどうかです。

なお、上記の対象外ケースであっても、週の所定労働日数が4日(1年間の所定労働日数が169日~216日)の方は3年6か月以上、3日(1年間の所定労働日数が121日~168日)の方は5年6か月以上の勤務で比例付与される年次有給休暇付与日数が10日を超えるため注意が必要となります。

多様な働き方推進事業とは

多様な働き方推進事業は、千葉県内の中小企業を対象に、各企業で実施される「働き方改革」への取組みを支援する千葉県の事業です。企業向けセミナーの開催や、専門家の派遣などを無料で実施しております。1社1社、専任のコーディネーターがお話を伺いながら、自社にあったセミナーや専門家をご紹介いたします。今後の経営革新や課題解決に、ぜひお役立てください。