株式会社 赤門

代表者:代表取締役 片岡輝晃
従業員数:560名
事業内容:焼肉ファミリーレストラン赤門・凱旋門の展開

エグゼクティブサマリー

幹部社員の熱意とスキル、働き方改革の推進に絶対不可欠な社長自らのコミットメント、これにオープンマインドな組織風土が後押しして、参画意識の醸成、および来期からの本格的な働き方改革 に向けた準備が整った好事例です。

背景
  • 「働き方改革関連法」に関する報道を見て、自社の働き方改革について考えるようになった
  • 長時間労働が当たり前の社風を変えなければ行き詰まるという懸念があった
取組内容
  • 社員の中から有志を募り、ボトムアップ式のプロジェクトを立ち上げた
  • 勤務時間の公開による意識付けや、1日の業務内容の計画と振り返りを徹底した
成果
  • 業務上の無駄が見え、業務のマニュアル化等、今後取り組むべきことが分かった
  • アイデアを出しやすい職場環境となり、社員の「意識改革」が進んできている

担当者の声

私は現在、新卒採用を担当しています。飲食は元々あまり人気がない業界ですが、新卒採用をする上では、休みが少ないなどのネガティブなイメージの払拭が課題だと感じています。新卒の方たちに向けて、「絶対に、この会社に入った方がいいよ!」と自分自身でも納得して言いたいと思っていたので、今回の働き方改革に関するプロジェクトに参加しました。現場の社員が意見を言いやすく、意識が変わってきている実感はあります。

次の会社説明会では、当社が働き方改革に取り組んでいることを学生に伝えたいと思っています。いつか、社員の子どもが職場で働く親の背中を見て、「ここで働きたい」と思えるような会社にしたいです。

働き改革アドバイザーのコメント

「働き方改革は、従業員一人ひとりの意識改革が伴ったものでなければ意味がない」。今回の働き方改革の推進にあたり、まずはこの価値を担当者である宅間経営企画室長と共有しました。宅間室長は社長から「働き方改革は生産性の向上を伴ったものであること」との条件も課せられていたそうです。今回の成功要因は大きく3つあると思います。ひとつは宅間室長の高いマネジメント能力です。緻密なプロジェクト運営とファシリテーションには目を見張るものがありました。次に社長の強力なコミットメントがあったこと。最後に当社には対話のある組織風土があったことです。プロジェクトは自発的に名乗りをあげた若手店長が中心のメンバー構成で、常にオープンマインドな雰囲気が醸し出されていました。幹部社員の熱意とスキル、社長 のコミットメント、これにオープンマインドな組織風土が後押しして参画意識の醸成および来期からの本格的な働き方改革 に向けた準備が整ったと思います。

取り組んだ背景やきっかけは?

新聞などで「働き方改革関連法案」について目にするようになり、自社の働き方改革について考えるようになったことが、取り組みを始めたきっかけです。もともと当社は長時間労働が当たり前でしたので、少子高齢化で若い人が採用できない中、いつまでも長時間労働を続けていては、会社が行き詰まってしまうという懸念を持っていました。そのため、何かしなければと思っていた時に、社長から労働生産性を上げたいという話があったことから、労働生産性を向上させた上で、社員の定着にもつながる長時間労働の是正と公休消化について取り組み始めようと考えました。

どの様な取り組みを行ったか?

取り組みの推進にあたり、トップダウンの方法はとらず、社員の中から有志を募る形で、働き方改革を推進するプロジェクトを立ち上げました。全社員にメールで呼びかけたところ、店長10名、一般職5名、マネージャー1名の合計16名が手を挙げてくれました。思っていた以上に人が集まり、とてもいいスタートが切れたと思います。

今回のプロジェクトでは、まず成果を上げたいという気持ちがありました。具体的に何らかの数字が変わるといったことで、自分たちが動けば会社も変わるのだというボトムアップの「意識改革」をしたいという思いでした。

しかも、目に見える成果が出ないことには、プロジェクトが頓挫しかねませんので、全社員の1週間分の勤務時間・残業時間・公休取得数を、毎週月曜に公開することにしました。そうすることで、社員が残業時間や公休を意識するようになり、公休も増え、残業も減りはじめました。また、是正するための施策として、書籍などから学んだことを実践しました。一例を挙げると、各社員がその日どのように動くのか計画を立て、それを振り返るということを行いました。それにより、何が無駄なのかが見えるようになり、改善点がみえてきました。

どの様な成果があったか?

1日の業務内容の計画と振り返りの取り組みによって見えてきた無駄は、「肉の仕込み時間」と「営業終了後の集計作業」でした。肉を切る仕込み作業は、ほとんどの場合店長が行っていますが、誰にでも任せられるようマニュアル化を試みています。集計は、その作業のためだけに店長が出社する必要もあったことから、レジ機器の入替のタイミングで集計の簡素化を図ることにしています。

 また、プロジェクトを有志で進めたことで、意見が言いやすく、アイデアを出しやすい職場環境となり、社員の「意識改革」が進んできていることが、何よりの成果だと感じています。

今後は?

労働時間が改善されれば、時間にも心にもゆとりができ、お客様へのサービス向上や労働生産性の向上に対するアイデアが、社員から自然と出てくるようになるはずです。社員には、その日を惰性で動くのではなく、「考える習慣」を身につけてほしいと思っています。

 構想としては、仕込みのマニュアル化の延長として、「セントラルキッチン」の導入を考えています。労働環境の改善にとどまらず、業務改革、オペレーション改革へと発展し、風土改革となり、より良い企業になれればと考えています。