ベル・エンジニアリング株式会社
代表者:代表取締役社長執行役員 五十嵐 巌 様
従業員数:54名
事業内容:建設業(設備設計)
働き方改革は人材育成のための第一歩
人材を育成するための大切なステップです
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担当者からのメッセージ
最初は何から手をつけるべきかと迷いましたが、専門家にアドバイスをもらうことで取組の優先順位をつけることができました。人材育成の観点でも、働き方改革は不可欠です。 内規などを明確にして、社員間の不公平感などを払拭することで、モチベーションもアップしました。従業員間で仲間意識も生まれ、互いを思いやったり、切磋琢磨したりする好循環 が生まれていくことを期待しています。
取組の目的やきっかけは?
働き方改革関連法への対応は会社としては当然のことですが、当社の場合、総務部だけで全て対応していくのは負担が大きく難しい部分がありました。
労働局の説明会などにも参加しましたが、資料だけでも膨大な量。その上専門用語や難しい言い回しが多く、まず理解するのに途方もない時間がかかります。その上で、社内規定や労使協定など取り組むべき課題がたくさんあることや、派遣労働者への対応なども必要だったことから、何から手をつければよいのかわからないという状況でした。
専門性や業務量を考えると、通常業務を行いながらの対応は困難ではないかという結論に至り、専門家の支援を受けながら進めて行こうということになりました。
そこで、県の働き方改革アドバイザー派遣を利用し、実際に社会保険労務士を会社に派遣してもらい、スムーズに課題に取り組むことができたと思っています。
どのような取り組みを行ったか?
社会保険労務士に相談して最初に行ったのは、取組に優先順位をつけて一覧を作ることです。そこから段階を追って進めていくこととし、アドバイスを受けながら就業規則の内規変更や労使協定の文案を作成することができました。作成した内容が法令から逸脱していないかどうかのチェックや修正をプロからアドバイスいただけたのはとても心強く、総務担当者にとっても大変勉強になる内容でした。
同一労働同一賃金への取組として、正社員、パート、派遣など従業員の雇用区分ごとに検討表を作り、各項目について確認。専門家の意見を聞きながら制度変更を検討し、就業規則の改定を行いました。こうした制度変更については、社内報などでパートや派遣の方も含 止めて周知を徹底。結果として1名が正社員への転換を行うなど、少なからず働き方は変わってきています。
法令に従って待遇改善などを行うのは、実はそれ自体難しいことではありませんが、経営に与える影響はとても大きなものです。その点、 新たな施策を行うことで、どのくらい賃金が上昇するのかというシミュレーションができたことも大変有意義でした。
支援の成果と社内の反響
正社員、パート、派遣といった、雇用形態の違いによる待遇改善のために行ったのは、退職金の支給規定の見直し、非正規社員への賞与の支給などです。同時に、非正規社員の業務内容や責任の範囲についても就業規則の内規で言及し、明確化を図りました。こうした内 容を全社員に共有してもらうことで、社員一人ひとりのモチベーションも上がったと感じています。
また、これまでは正社員のみが対象だったセミナーや研修などの教育プログラムについても、非正規社員でも差異なく受けられるように改善。キャリアアップにつながるような仕組みの導入により、社員一人ひとりのやりがいを高めるとともに、更なる定着率の向上も目指していきたいと思っています。
福利厚生面でも同一の条件とすることで、仲間意識が芽生えたり、社内の風通しがよくなったりと、副次的な効果も生まれていると実感しています。
今後の取組や課題は?
今回、働き方改革アドバイザーの支援を受けたことで、 法改正などに迅速に対応していくためにはやはり専門家の目が必要不可欠だという結論に至りました。 そのため、社会保険労務士の方と契約し、毎月のチェックやアドバイスをいただくことにしました。これは総務部の業務負担を軽減するとともに、スキルアップにもつながるのではないかと思っています。
また、取組の中でも特に同一労働同一賃金は重要な観点ですが、経営的には賃金総額の上昇が見込まれるため、売上の確保が必須となります。そのためには取引先など社外各所の理解を得ることも重要で、丁寧に説明しながら推進していきたいと思っています。
現在当社は人材確保の点では大きな転換期を迎えていると言っても過言ではなく、ベテランと新人の二極化があります。 人手不足と言われる時代の中では、これまでのような即戦力の採用ではなく、未経験の若手を採用し、良い環境でじっくりと育てて定着してもらうことを目指していくべきだと考えています。
働き方改革はそのためのひとつのステップ。しっかりとした計画を持って人材育成を行い、 社内、 取引先、地域など、あらゆるステークホルダーに受け入れてもらえるような企業を目指していく所存です。