東洋メンテ工業株式会社

代表者:代表取締役 草場 克之 様 
従業員数:30名
事業内容:サービス業(水道メンテナンス)

他社がやらないことにチャレンジし、自社の魅力度をアップ

従業員の働きやすさを追求することで、企業としての魅力を生み出す

背景
  • 現場での業務が多い業種であっても、テレワークを可能にし、業務効率化や生産性の向上を行いたい
  • 働き方を変えることで、人材を確保し、従業員のワーク・ライフ・バランスの向上を目指したい
取組内容
  • 全社員へのノートパソコンの貸与を行い、自宅から自社サーバーへ接続可能に
  • さまざまなツールやクラウドシステムの活用により、業務を効率化
成果
  • 現場の管理業務のリモート化などにより、全社員がリアルタイムで情報共有可能に
  • 働きやすい環境の整備で、従業員の様々なライフステージに合わせた魅力度ある職場づくりへ

担当者からのメッセージ

現場に行かなければ仕事はできないという先入観を払拭し、アイディアや工夫で変化を起こしていきたいと思っています。従業員の中には、抵抗感のある人も、不安になる人もい ます。ですが、長い目で見て改革を行うことは働き方の選択肢を広げることにもなり、 必ず企業としての魅力につながるのではないでしょうか。

取組の目的やきっかけは?

水道のメンテナンスやリフォーム、マンション等の清掃業務など、当社の業務は非常に幅が広いのですが、どれも現場に赴かなければ成り立たないものばかりです。これまでも出先でノートパソコンを使うなど、部分的にはリモートで対応することもありましたが、徹底す るところまで行っておらず、やはり会社に来ないと仕事ができないという側面はありました。こうした状況を改善し、生産性の向上や業務の効率化を図りたいという考えから、テレワークを導入するための支援を受けることにしました。

テレワーク導入の取組を通して、仕事と育児や介護の両立を可能とし、既存社員の継続就労や新たな人材の確保も目指していくべきだと考えています。

家庭の事情や仕事への考え方は人それぞれです。社員一人ひとりがやりがいを持って働きやすい」と思える環境を整えることが、ワーク・ライフ・バランスの向上につながっていくと思っています。

どのような取り組みを行ったか?

まず、全社員にノートパソコンを貸与、事務や営業はもちろん、現場の管理業務などにも活用することとしました。自宅や出先からも会社のサーバーにアクセスできるようインフラの整備を行い、運用を開始しました。

現在はコミュニケーションツールを「LINE WORKS」 に一本化。リモートでの会議はもちろん、情報交換や横のつながりなどにも活用できるようにしています。管理職の立場からすると、業務全体が見渡せるようになり、非常にわかりやすい状態です。社内連絡の周知徹底なども素早く行うことができるのが利点だと思います。

現場と会社をリモートでつないで状況を映像で確認する際にも活用しており、その場で意見交換をしたり、指示を出したりできるので判断が格段に早くなりました。これまでは担当者が何箇所も回って目視していたのですが、こうした点でも効率化は著しいものがあります。

また、テレワーク導入においては勤怠管理が重要ですが、当社では「KING OF TIME」という管理ツールを導入し、出動管理や給与計算なども効率化。これまで紙で手渡ししていた給与明細もウェブ明細に変更しています。

こうした様々な変更に伴い、テレワーク労務管理規定の整備も専門家のアドバイスを受けながら進めているところです。

支援の成果と社内の反響

導入したツールについて、当初は「使い方がわからない」「かえって面倒くさくなるのでは?」という声もあり、部署ごとに温度差があったのも事実です。特に、工事の現場などでは業務の特性もあり、難色を示されたこともありましたが、思い切って導入しました。実際に運用を始めてみると、意外にすんなりと対応することができ、日を追うごとに上手に活用している印象です。

当社の仕事は個人では成り立たず、チームワークでやっていくものが多いのが特徴なのですが、全員がリアルタイムで情報を共有するためには非常に良い取組になったと実感しています。ただ、それだけでコミュニケーションが成立するとは考えていません。顔を見て話をするという基本的な関係性はとても重要ですので、私の部屋は事務所の入口横に設置し、ドアは開けたままで誰でもいつでも気軽に話をできるような工夫をしています。社内レクリエーションなども実施し、昔ながらの対話を大切にしながら、業務の効率化の一つと してテレワークを推進しています。

 

今後の取組や課題は?

ウェブ見積書システムや現場管理クラウドシステムの導入は検討中で、遠からず本格稼働させていく予定です。これにより、現場はスピード感を持って業務を進めていくことができるようになると考えています。一方で、会社の固定電話への連絡などが多く、その取り次ぎのために社員が出社を余儀なくされているのも実情です。これについては、クラウドPBXの導入を検討しています。同時に、テレワーク労務管理規定も整備し、近く運用開始を予定しています。

まだまだ課題は多く、やってみなければわからないところも多々あります。会社自体がテレワークに不慣れで、模索状態とも言えますが、専門家に相談して個別の問題を浮き彫りにし、一つひとつ解決していく所存です。

子育て世代や介護世代はもちろん、趣味を重視する人などにもライフスタイルを変えずに仕事をしてもらえる環境になるのが理想です。この業種でのテレワークは不可能だという先入観を取り払い、ツールの活用やアイディアで新しい働き方を構築していきたいと思います。 他社が無理“だと諦めてしまうことにも、積極的にチャレンジします。それが当社のカラーとなり、魅力となることを目指し ています。