株式会社ランデックス
代表者:代表取締役 藤本 大士 様
従業員数:20名
事業内容:学術研究、専門・技術サービス業(測量)
10人いれば10通りの働き方がある
会社に合わせて働く時代から、働く人に合わせた会社になる時代へ。信頼関係の上にある業務効率化で、働きやすい職場づくりを実現
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担当者からのメッセージ
現場に行かなければ仕事のできない当社でも、様々なツールを活用することで作業の効率化が可能になりました。頭で考えていると難しそうに感じられますが、思い切って切り替えていくと案外簡単だということに気づけると思います。その会社の業務に合わせたツールの導入がポイントです。
取組の目的やきっかけは?
過去に県の働き方改革アドバイザーの支援を受け、今回、テレワーク導入支援を受けました。私自身、サラリーマンを経験しているのですが、長時間勤務などでプライベートの時間を削るなど、非合理的で理不尽だなと思うことが多く、自分が会社を立ち上げたら絶対にそういうことはしたくないという思いを強く持っていたことが、取組のきっかけです。
プライベートの充実や心のゆとりは、仕事へのモチベーションアップにもつながります。 フレックスタイム制の採用はもちろんのこと、仕事が早く終われば帰宅しても構わないということを従業員には常日頃から伝えています。時間に縛られるのではなく、仕事がきちんとできていればそれで良いという信頼関係を築くことが大切だと思っています。
こうした考え方で、コロナ禍前からウェブ会議システムやクラウドでのデータ共有などを導入していました。ただ、従業員全員が利用できる環境ではなかったため、テレワーク導入支援を受けて全社的に体制を整えました。
小さい子どものいる人など、家庭の事情も様々です。それぞれが働きやすいと思えるスタイルを作ることが大切であり、全従業員がテレワークをできるようにすることは、そのひとつの取組だと考えています。
どのような取り組みを行ったか?
まずはシステムやツールの見直しを主に行いました。管理ツールについては、これまではデータ作成もエクセルやスプレッドシートなどを使用し、各自でテンプレートを作成する形で運用してきましたが、これでは全社的な情報共有はスムーズにいきません。
こうした事務方の仕事を販売管理ソフトに移行することで、これまでメンテナンスなどの作業で月に8~10時間掛けていた時間をゼロにすることができました。年間で換算すると96~120時間の業務削減です。また、データを一元化することで、誰かが休暇を取っても問題なく運用ができるようになりました。
測量現場においては、技術者が現場で撮影した画像データをアップできる 「ミライ工事2」というツールを導入したことで、現場で作業を終了することができるようになりました。 これまでは会社に戻り、データ整理をしてから帰宅という手順を踏んでいましたが、ツールを導入することで、素早いデータ共有と無駄な移動の削減をすることに成功しています。
これらツールの運用には費用が掛かりますが、業務時間の削減や交通費の削減もありますし、これからの時代では必要な投資であると考えています。
支援の成果と社内の反響
測量の仕事は、現場の状況を図面に正確に反映させる必要があります。現場に赴かなければいけませんし、各人のスキルに支えられているものでもあり、従業員間でシェアがしにくい仕事です。会議をウェブで行ったり、ビジネスチャットなどの新しいツールを導入したことで、 以前よりも横のつながりをつくることが容易になったと感じています。また、テレワーク実施時の負担軽減のため、会社としてデバイスの支給や電気料金の補助などを行っています。
事務的な作業の部分についても、オンラインで業務可能なソフトの導入やペーパレス化により、事務職員の在宅勤務が可能になりました。従業員からは「システム化により意見を言いやすくなった」「ITリテラシーが向上した」などの声が上がっています。
会社の方針として、「効率的な業務の進め方を考えて欲しい 」 と提案していることもあり、従業員が作業効率や生産性を考えて動くようになっていると感じます。一人ひとりが受け身ではなく、自ら考えて動くようになった結果、モチベーションもアップ。定着率も上がってきています。
今後の取組や課題は?
テレワークによって仕事の効率化が進む反面、労務管理や人事評価などへの対応など、 管理者側の負担は大きくなるように感じています。その点では、在籍管理システム導入も検討していくつもりですし、社会保険労務士と相談しながら労務管理への対応を進めていくことが重要です。基本的には信頼関係の上に成り立つものでもありますので、普段からのコミュニケーションなども重視してきたいと思っています。 10人いれば10人の事情があり、考え方があり、働き方があります。自分自身も視野を広く持ち、柔軟な姿勢で様々なことにチャレンジしていくつもりです。業界の暗黙のルールや、働き方の概念をくつがえして、魅力的な会社にしていければと思っています。